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海外旅行記

「馴れ初め」流石に申し訳ない、すぐ上がるからコーヒーでもご馳走させて

俺も出会いは箱ヘル

そこまで美人でもトップ嬢でもなかったが 頭が良くて、他の嬢が嫌がる客でも上手くあしらうらしく、常に上位に居た とにかく話を聞いてくれるのが上手い。

絶対余計な事は言わず、けれど何かこちらが心配事を言うと、厳しい一言と共に抱き締めてくれるような嬢だった

当時仕事で色々あった俺は情けないと思いつつも本当に救われたし、芯の強さに惚れた

近づけたきっかけは嫁の義理堅さかな 絶対にプライベートでは会わないが信条だったらしいが、受付終了間際に滑り込んだある日 週末から海外旅行に行くと珍しくウキウキした彼女がずっと話していて、シャワーすら浴びなかった 楽しいなと思いつつも悶々とする俺に非常のコール

「流石に申し訳ない、すぐ上がるからコーヒーでもご馳走させて」

「いや、、ええと」

「30分後にあのカフェで」

千載一遇と思いつつヘタレな俺、本当にコーヒーだけご馳走になって送って退散 ただ、送った彼女のアパートが本当にボロでびっくりした 私服も古いデニムにタンクトップでびっくりしたけどな

未だに「あの時はホテル位行こうと思ってたんだよ」と言われるが、妙に嬉しそうな嫁を見て多分手を出さなくて良かったんだと思っている

それからは時々遊ぶようになり、海外旅行(短期留学な気がする)の化石のお土産も貰った 付き合う事は拒否され続けていたけど、話すのがとにかく楽しかったんだ

たまに、大学に行きたい、親はいない、奨学金を借りたかったけど親族は誰も保証人になってくれなかった、もし上手く行って希望職に就けたら静かに暮らしたい等々聞いた 正直その辺りはありがち過ぎて、話半分に聞いていた

でも遂に古い部屋に入り込んだ日、専門書と新聞のの量に圧倒されたんだ そして汚い部屋だけど、と言いながら豆挽いて淹れたコーヒーを出してくれたの 今まで一緒に行ったどのカフェのコーヒーよりも美味しかった

ああ、この子はどんな環境にも負けずに丁寧に生きていて、のほほんと育った俺を慰めてくれるんだと思ったらなんだかもう色々はじけて、思わず告白 「学費援助させて。君のお陰で俺は仕事辞めずに昇進まで出来た。お礼をさせて欲しい」

勿論、嫁からは断固拒否された でも、「就職もあるし君の時間が勿体なさすぎる。せめてすぐ受験して、大丈夫(根拠無し)」との言葉は聞いてくれてしかもあっさり合格

合格聞いた直後に覚悟決めて銀行に行った 人生で一番有意義な定期の崩し方だったと思う そして嫁を連れて半ば無理矢理学費を直接振り込んだ

「まさか本気だと思わなかった、用意が足りなくて記念受験のつもりだったのに」と、泣きそうな顔で渡された頭金と返済計画書には

「俺さんがご結婚される等の場合を考えて振込名義は○○とします。また、請求いただければいつでも全額返済致します」とあった

忙しい学部だから、今までのようには稼げないだろう。 俺が請求して貯金が空になったらサラ金か?と思ったら無性に腹が立って、その後すぐプロポーズした

結局、結婚までは紆余曲折あったけど 嫁、今では希望の研究職に就いてバリバリ働いてる 猫のエサも嫁が買ってくれてるし、ほぼ同分野なのに俺より早く出世しそう、てか情けないがもうそろそろ年収は超される

でも、どんなに周囲に「こいつにこんないい嫁さん勿体ねーw」と囃されても 「俺さん以外との結婚はありません。最高の人です、感謝しています」 そう言ってくれる嫁に誰よりも感謝してる